庭園倶楽部
庭園倶楽部の視点は、時代によって変化する住まいと庭の関係にあります。能阿弥の著作『君台観左右張記』を第一の美意識に、同じ頃の村田殊光「月は雲まのなきはいやにて候」を第二の美意識に、江戸初期・小堀遠州の「きれいさび」を第三の美意識におきました。その視点から多数のスライド映写を通して、日本庭園の美を勉強する集まりです。庭園見学旅行を含む10回コース。毎月1回、金曜午後7時より。 ■稲次敏郎
1924年 京都生まれ。
1947年 東京美術学校図案科卒業。
1988年 「建屋と庭園に関する研究」で
 日本デザイン学会賞受賞。
1995年 「建屋と庭園の関係研究」で
 勝見勝賞受賞。
2002年 勲三等端宝賞叙勲
現在東京芸術大学名誉教授、宝塚造形芸術大学名誉教授・理事 専攻=環境デザイン


2003

4.19/20
(土日)

■広島・防府・山口地方へ庭園研修旅行 

5.23
■住まいの庭の形成過程 寝殿造りができるまで
石の住まいと木の住まいの庭のありかたから、木の住まいの原点としての「寝殿造り」が形成されてゆくまでの過程を推測します。

6.20

■「みやび」の世界 日本の住まいと庭の原型として
寝殿造りの生活と、庭園技術書の古典である『作庭記』から、王朝の「みやび」の舞台を見てゆきます。

7.25
■「もののあはれ」の世界 浄土の演出
「みやび」は一方に「もののあはれ」を含んでいます。末法思想・来迎思想から阿弥陀堂とその修景を見てゆきます。

8.29
■第一の美意識 『君台観左右張記』
鎌倉・室町時代に入ると住まいの「ありやう」は大きく変化します。能阿弥の記した『君台観左右張記』を第一の美意識としました。これは室町時代の基調となり、この美意識を理解しないと解らなくなります。それにともない禅院の見せかたと庭の関係と見てゆきます。
9.27/28 (土・日)
■竹生島・永平寺・朝倉館跡 研修旅行

10.24

書院造りと庭 「ありやう」の濃縮表現
武家の庭である書院造りは、桃山・江戸初期と二段階で大広間へと向かいます。そして格式・序列の象徴としての上段座敷飾り・狩野派金碧画に対応する書院の庭は儀式庭として展開します。

11.21
■第二の美意識 「満月」と「雲間の月」の美意識と、草庵・数寄屋の違い
数寄屋に至る過程として、書院座敷の美意識から、茶の湯の言葉をたどりながら、千利休の「わび」の美意識を垣間見ます。

2003

1.23
■第三の美意識 求道からの解放
数寄屋に紀割り(規格)はありません。数寄屋は「オ気ニ召スママ」に造られました。弓道から解放されて、小堀遠州の「きれいさび」は完成します。その頂点に桂離宮があります。

2.27
■廻遊式庭園と社寺の境内
住まいの秩序から 池を中心に、多くの異なった庭を一つに仕立て上げたのが廻遊式庭園です。それは大名達の宴遊の庭は社寺の境内でした。これからの公園の「ありやう」を探ります

4.17/18(土日)
■京都・奈良地方研修旅行


特典
■庭園倶楽部会員は、期間中、ワタリウム美術館への入館が無料になります。
ワタリウム美術館特別ニュースを受け取ることができます。
ワタリウム美術館が開催するすべての講演会の特別割引が受けられます。

お申し込み
■参加ご希望の方は、申込書に必要事項を御記入のうえ、郵送またはFAXでお申込み下さい。なお、同時に年会費・参加費を下記の口座にお振込み下さい。定員になり次第、締め切らせていただきます。

会費
■庭園倶楽部:入会金10,000円(庭園倶楽部継続会員、ワタリウム美術館サポート会員は無料。ワタリウム美術館一般会員、「岡倉天心研究会」会員など半額、お尋ね下さい)
■参加費 20,000円 旅行費は別途
■振込先:三井住友銀行 青山支店 
 普通#1621750 名義:庭園倶楽部

お問合せ・お申込先

■ワタリウム美術館「庭園倶楽部」
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-7-6
Tel.03−3402−3001 Fax.03−3405−7714

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