まちへ出よう展〜それは水の波紋から始まった〜

まちへ出よう展 〜それは水の波紋から始まった〜

⟨アーティスト⟩

ロイデン・ラビノヴィッチ/蔡國強/ホワン・ヨンピン/デイヴィッド・ハモンズ/ジェイソン・ローズ/フェデリコ・フージ/ミロスワフ・バウカ/宮島達男 (水の波紋展95より)
松下徹/ソル・ルウィット/Chim↑Pom/キース・ヘリング/ヨーゼフ・ボイス/DIEGO/カールステン・ニコライ/ヴォルフガング・ライプ

EXHIBITION

展示内容

旧都営青山北町アパート(まもなく取り壊しが予定されている)には、高さ20mの給水塔があり、中国人アーティスト、ホワン・ヨンピン(1954-2019)はその上に竹で出来た5mの大仏を設置しました。大仏には100個以上の小さな鈴が付いていて、夏の夕暮れ、風で一斉に鳴り響き、辺りは地元の人たちの大切なスポットになりました。
これは、1995年、次々と画期的な展覧会を発信し注目を集めていたキュレーター、ヤン・フート(1936-2014)とワタリウム美術館が協力し、青山、原宿の街中の40箇所に現代美術の作品を設置した「水の波紋95」展*の様子です。それぞれのサイトに作品が置かれた30日間、そこには魔法が掛けられたかのように不思議な空気があふれ、さまざまな出来事が起きたという伝説の展覧会でした。

2021年、コロナ禍に翻弄され、経済や政治、コミュニケーションや人の考え方までもが大きな変化を余儀なくされています。そうした中、今回の「まちへ出よう展」は、屋外40箇所で展開した「水の波紋95」展を再び呼び覚まし、その源流となった作品をたどり、さらに2021年のアーティストたちが集結、様々な方法や時代精神を作品に託し、それら全てが融合し、次なる波紋へと広がって行くことを目指しています。

*「水の波紋」とは水面に落ちた一粒の水滴が波紋となりゆっくりと広がっていくように、街に設置したアート作品が多くの人たちの心に届くことを願って付けられたタイトルです。
1995年、大都市の中心部で街全体を会場として使ったこの展覧会は世界でも他に類を見ない挑戦的なものでした。加えて1995年という年は、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件などが次々と起こり、東京が異様な緊張感に包まれ、展示は困難を極めました。都市における行動の自由や場所のあり方、安全についても改めて考えさせられた展覧会となりました。

WORKS

作品

PROFILE

プロフィール

ホワン・ヨンピン
Huang Yong Ping
1954 - 2019 中国

天安門事件を機に、中国からパリに移住。昆虫、洗濯機、飛行機などあらゆるものを素材として作品に用いている。常に緊張感と危険を表した作品を制作。

ロイデン・ラビノヴィッチ
Royden Rabinowitch
1943 - カナダ

ダブリンとベルギーのゲントに主に在住。バイオリンと音楽理論を学んだ後、トロントで活動を始める。70年代にニューヨークに移る。 

蔡國強(ツァイ・グオチャン)
Cai Guo-Qiang
1957 – 中国

火薬を用いた作品(火薬の爆発による絵画制作やパフォーマンス)や、漢方、風水といった中国古来の文化を現代の手法に置き換えた作品を制作。現在はニューヨーク在住。 

デイヴィッド・ハモンズ
David Hammons
1943 - アメリカ

グランド・ピアノと石炭の間をオモチャの汽車が走り抜ける「ブルー・トレインを追いかけて」(1990)という作品で、黒人社会とジャズを強烈に表現し、一躍20世紀末のアメリカを代表するアーティストとなった。

ジェイソン・ローズ
Jason Rhoades
1965 – 2006 アメリカ

UCLA在学中から注目され、ヴェネチア・ビエンナーレを始め多くの国際展にも参加。ユーモア溢れるインスタレーション作品で知られるが、2006年に41歳の若さでこの世を去る。

フェデリコ・フージ
Federico Fusi
1967 - イタリア

万物の源を捉えるため「言葉」を中心に様々な材料や言語を用いて世界を探求し作品を制作。一人のアーティストとしての他、キュレーターとしても活動。 

ミロスワフ・バウカ
Miroslaw Balka
1958 - ポーランド

彫刻ともインスタレーションとも呼べる作品で知られる。祖父は墓石の石工、父は墓石の字彫りをしていた背景から、トラウマや思い出、特に第二次世界大戦の記憶をテーマに作品を制作。

宮島達男
Tatsuo Miayajima
1957 - 日本

デジタル数字の作品で国際的に注目を集める。以来、国内外で数多くの展覧会を開催。93年ジュネーブ大学コンペティション優勝(スイス)。98年第5回日本現代芸術振興賞受賞。98年 ロンドン・インスティテュ―ト名誉博士。

松下徹
Tohru Matsushita
1984 - 日本

2012年、アートコレクティブ“SIDE CORE”を高須咲恵と発足、2017年より西広太志が参加。街の中で行われるさまざまな表現「ストリートカルチャー」に関するリサーチや、展覧会の開催、作品制作を行う。

ソル・ルウィット
Sol Lewitt
1928 – 2007 アメリカ

情緒性や表現性を含まない幾何学的立体構成によって、ミニマル・アートやコンセプチュアル・アートを先導した。 

Chim↑Pom(チン↑ポム)
2005年結成 日本

アーティスト・グループ。2005年にエリイ、卯城竜太、林靖高、水野俊紀、岡田将孝、稲岡求の6人で結成。「目の前の現実」に潜む問題や暗部に向き合い発せられる、強烈なメッセージは常に賛否両論を巻き起こしている。

キース・へリング
Keith Haring
1958 - 1990 アメリカ

1980年代初頭、ニューヨークのイースト・ヴィレッジから現れ、瞬く間に世界がその名を知ることとなったグラフィティ・アートの先駆者。地下鉄や街頭での制作を通じ、アートを画廊や美術館の外に持ち出した。90年2月エイズで死去。 

ヨーゼフ・ボイス
Joseph Beuys
1921 - 1986 ドイツ

初期のフルクサスに参加し、数々のパフォーマンスで注目された後、彫刻や芸術の概念を「教育」や「社会変革」にまで拡張した「社会彫刻」という概念にたどり着き、社会と芸術の正常な関係構築を目指した政治的活動に取り組んだ。「緑の党」の創設者の一人。

DIEGO
日本

街の中に独自の視点で表現を仕掛け続ける。絵画や壁画というビジュアルアートから、また街の中のgraffiti、そしてコンセプチュアルアートまで活動の幅を広げている。近年はSIDE COREの一員としても活動。

カールステン・ニコライ
Carsten Nicolai
1965 - ドイツ

アーティスト。アート、自然、科学を結ぶインターフェイスを意図的に探り、美術、音楽両方の分野で世界的評価を得ている希有な存在。「ノト」「アルバ・ノト」 というコード・ネームでも活動、音楽レーベル「ラスター・ノトン」を主宰。

ヴォルフガング・ライプ
Wolfgang Laib
1950 – ドイツ

アーティスト。1974年に医学博士号を取得するも、その後アーティストとしての活動に専念する。ミルク、花粉、蜜蝋などを素材とした静謐で繊細な作品は、自然や、儚いものの中にひそむ美しさと強さをミニマルでストイックな緊張の中に表現している。

EVENT

関連イベント

過去の展覧会