山田寅次郎展

トルコ共和国建国100周年記念山田寅次郎展 茶人、トルコと日本をつなぐ

EXHIBITION

展示内容

明治時代の青年たちは、更なる魅力ある日本を求めて、 世界へ出て見聞を広めた。
1890年、日本に到着したオスマン帝国軍艦・エルトゥールル号が、帰路、台風で乗組員のほとんどが命を落とした事故に心を痛めた青年、山田寅次郎は義捐金活動を開始、集めた義捐金を持参しオスマン帝国へと向かいました。 わずか24歳の目に映ったのはオスマン文化の荘厳さと人々の暖かさでした。 本展は、山田寅次郎という明治の人物を介し、日本とトルコという異なる歴史を持つ2つの国が交流する様子を伝えながら、相手の文化を深く尊敬することの大切さを感じる機会にしたいと思います。

第一章 情熱と愛を持って、オスマン帝国へ出航
多民族、多国籍、多宗教、多文化の混沌とした都市コンスタンチノプル(イスタンブル)で感じたこと、学んだことを著した『土耳古畫觀とるこがかん』を映像とアニメーションを使用して展示、オスマン世界が会場に飛び出し、皆さんをオスマン世界に誘います。

第二章 寅次郎の書斎へようこそ
山田寅次郎の人となりを伝える展示と空間。そして大阪の自宅にあった寅次郎の書斎の再現をします。晩年、家元として活躍した茶道具、オスマン帝国、アジア、ヨーロッパから持ち帰った品々、寅次郎が読んでいた本、使用していたものを展示。キッチュな寅次郎のテイストをお楽しみください。

第三章 忠太と寅次郎の絵ハガキ図書館
建築家伊東忠太が、オスマン帝国に滞在していた時、寅次郎と不思議な友情が芽生えました。
旅の途中、忠太から送られてきた絵葉書は、ユーモア一杯、エジブトで見た遺跡について熱く語り時には、可愛い絵が紙一面に書かれています。寅次郎が、大切に保存した忠太からの絵葉書100余点を今回初展示します。絵葉書を見ながら二人の様子を想像してみてください。

WORKS

作品

PROFILE

プロフィール

山田寅次郎_ポートレート
山田寅次郎 (1866~1957)

1866年 中村家の次男として誕生。祖父は、上州沼田藩江戸家老だった。
1881年 茶道宗徧流七世家元・山田宗寿の養子となる。同年東京薬学校(現・東京薬科大学)入学。
1884年 東京薬学校卒業。
1888年 幸田露伴のデビュー作『露団々』を出版社に売り込む。
1890年 オスマン帝国軍艦エルトゥールル号海難事件の義捐金活動を行う。
1892年 義捐金を持参しオスマン帝国へ。スルタン・アブデュルハミト2世に謁見。
オスマン帝国滞在中、東洋美術の分類を監修する一方、中村商店を立ち上げ美術工芸品などの貿易を行う。日本から来た要人の仲介役を担い、“民間外交官”と称される。
1905年 日本に帰国後、製紙会社を設立し、実業家として活躍。
1911年 オスマン帝国滞在記『土耳古畫觀』(博文館)を上梓。
1923年 茶道宗徧流家元宗有を襲名。
1924年 日土貿易協会を設立し、理事長として晩年まで日土友好に尽くす。
1957年 没。享年91歳。

EVENT

関連イベント

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